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もの

2024/06/13

Photoshopの画像生成AIで人物写真を加工してみよう

投稿者: もの
カテゴリー: デザイン >Photoshop

今回は、Photoshopの「画像生成AI機能」を使って人物加工をしてみましたので、どんなことができるのかを一部ご紹介します!

Photoshopに備わった「画像生成AI機能」については、以前に当ブログ内でもご紹介しました。
【Photoshop】簡単すぎる!画像生成AIの使い方!

上記の記事では背景を拡張したり物体の色や形を変える方法などが紹介されていますが、「画像生成AI機能」もさらに進化しているようなので、今回はより難しい人物写真の加工を試してみました。

まずは、元となる写真を用意します。

足りない部分の拡張

元の写真では、女性の頭が画面から出てしまい、切れてしまっています。

人物写真素材を探している時、せっかく良い雰囲気の写真を見つけたのに、頭や体の一部が切れてしまっていることで使用を諦めることはありませんか?

今回ご紹介する機能を使えば、これからは諦めずに済むかもしれません…!

まずはPhotoshopで元の写真を開き、「切り抜きツール」モードにします。ここで画面上部に「塗り:」というプルダウンがあるので、「生成拡張」を選択しておきます。

この状態で、写真上部をドラッグして引き伸ばし、「Enter」キーを押します。
すると「生体拡張」という小さなウィンドウが開き、入力欄が出ます。

今回は新しく何かを追加したり変えたりするわけではないので、何も記入しないまま「生成」ボタンを押します。

女性の頭のてっぺんが綺麗に生成されました!

「プロパティ」ウィンドウに「バリエーション」として3パターンの頭頂部が出てくるので、お好みの頭頂部を選んでください。

生成AIで補った箇所についてはマスクつきの新規レイヤーとして現れるので調整がしやすいほか、いつでも他のバリエーションのものに変えられるので、とても便利です。

色の変更

次に、この女性の髪の毛の色を変えてみたいと思います。

先ほど生成された頭頂部は別レイヤーになっているので、レイヤーを統合して髪の毛を1つのレイヤーにまとめます。

統合するのが怖い方は、元の写真を全選択+コピーしたものを頭頂部レイヤーと統合し、元の写真は非表示にして確保しておくと安心です。

次に、髪の毛だけを選択します。
「クイック選択ツール」を使いましょう。

「Shift」キーを押しながら髪の毛部分をなぞっていくと、ざっくりと髪の毛を選択できます。
「Alt」を押しながらなぞると、その部分を選択範囲から外すことができるので、できるだけ丁寧になぞって髪の毛だけを選択範囲に収めましょう。

ただ、髪の毛を切り抜く時ほどには細かく調整しなくても大丈夫です。

髪の毛が選択できたら、キーボードの「M」を押して「長方形選択ツール」にします。その状態で、先ほど選択した範囲のどこかで右クリックをします。

そこから「生成塗りつぶし」を選択します。

先ほども出てきた「生体拡張」ウィンドウが出ますので、入力欄に「真っ黒の髪」と入力します。

黒い髪の毛が生成されました!
頭頂部を補ったときと比べると少し崩れが見られますが、今回も髪の毛が別レイヤーになっているので、不自然な部分のみ微調整が可能です。

髪型も変えられます。

「良い人物写真があるのだけど、髪の色のイメージが違う」「髪型をもう少し華やかにしたい」という時にも使えそうですね!

背景をイチから生成する

最後に、人物の後ろに背景を生成してみましょう。この機能では、元々ある背景を補足するのではなく、イチから生成できてしまいます。

先ほど追加生成した髪の毛は元の写真と結合しておきます。
今回は「黒いストレートの髪」で生成した髪型を採用して、元の写真と統合します。

まずは背景部分を選択します。

今回のように元の背景が無地かつ被写体が1つの場合は、上部メニュー「選択範囲→被写体を選択」で人物のみを選択してから「Ctrl+Shift+I」キーを押して選択範囲を反転することで、簡単に背景のみを選択できます。

複雑な背景の場合は切り抜きツールなどを使って選択範囲を作成しましょう。

髪の毛の色を変えたときと同様に、選択範囲の上で「M」を押して長方形選択ツールにし、右クリック→「生成塗りつぶし」で「生体拡張」ウィンドウを出します。

ここの入力欄に、今回は「おしゃれな街」と入力します。

…何だかあまり都会っぽくないですね…。
生成AIは何度も作り直すことができるので、次は「おしゃれな都会の街」としてみます。

ちょっと都会らしくなりましたが、何だか無機質…。
次は「街路樹のあるおしゃれな都会の街」としてみましょう。

いい感じです!
このように、入力する言葉によって生成される画像の調整ができるので、好みのものになるまで何度もチャレンジしてみてください。運が良ければ、少ない文でも思い通りの画像が生成されることもあります。

さらにここから、背景だけ色味を変えたり、ぼかしをかけたりすることもできます。

ぼかしをかける場合は、元の写真から被写体だけを切り取ったレイヤーを生成背景の上に重ねると、より自然に馴染みます。

背景を少し明るく、赤みを少し引いてぼかしをかけました。

調整したあとでも写真を生成し直すことができるので、先にある程度ぼかし具合や色みなどを決めてから背景を生成することもできます。

注意点

このように、Photoshopの生成AIを利用すれば、元の写真にはなかった部分を補ったり変更したり、要素を足したりすることができます。

ただ、利用については少し注意しなければならないこともあります。

例えば「ブログの中で『街を散歩しよう』という記事を書くから『街歩き』のイメージ写真がほしい」という時に、先ほどのような生成画像を使用するのはとても良いと思います。

しかし「うちは小さな会社で見栄えがしないから、社員の写真に架空の綺麗なオフィスの背景を敷いてイメージを良くしよう」という目的で生成した画像をWebサイトなどに載せてしまうと、その画像を見てから新しく入社したり訪問した方が実際のオフィスを見た際に「あの写真は偽物だったのか…」と傷つけてしまいかねず、良くありません。

「事実」を伝える役割・効果のある写真にはできるだけ使用しないように気をつけてください。

また、生成AIを利用した画像を「オリジナル写真作品」として発表するのもルール違反となります。

あくまでも「イメージ写真」として利用することを心がけましょう。

著作権について

Illustratorの生成AI機能を使ってみました!の記事でご紹介したIllustratorの生成AI機能と同様、Photoshopの本機能もAdobe独自のAIが使用されており、著作権はクリアしているということでした。

商用利用も可能とのことなので、安心して画像生成ができそうですね。

Adobeサイトへ

上記のAdobeのページ内でも「嘘や誤解を招く表現は禁止(要約)」とありますので、やはり使いどころには十分に注意しましょう。

このような注意点はあるものの、今までは思い通りの写真素材が見つからないために諦めていたデザインも、今後は生成AIを利用することで制作可能になるかもしれないのはとてもありがたいことです。

節度を守って楽しく生成AIを利用してみてくださいね!

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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